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ボゴール取材記(1/3)準備篇
Fujii

準備篇
- 初回準備篇(1/3)はこの記事です。
- 第二回撮影篇(2/3)はこちら。
- 第三回QZSS-GPS篇(3/3)はこちら。
概要と目的
2015年10月末、インドネシアのボゴール(Indonesia - Bogor)という街に取材旅行へいってきました。 今回の準備編では撮影した写真はほとんど出てきませんが、ハイアマチュア装備で撮影に挑むためのノウハウを紹介したいと思います。
行程など
インドネシアのボゴール市街にて、対象を視察・撮影する。11月25日〜11月29日の4泊5日。
目標
- とあるシステムで使用する詳細な地理情報を取材する。
- 建物のイラストを描き起こすための資料写真を取材する。
対象となる素材
- インドネシアのボゴールの地理を理解するための一連の対象(位置情報付きの写真を撮影し、ルートの位置関係や正確な場所をログに残す)
- 建物(イラスト化するために内部と外部の構造や特徴を把握できるように)
- 現地の様子がわかるようなスナップ(他のスタッフへ展開できるように些細なことでも撮りまくる)
ボゴールについて
今回の目標地点は、ボゴールという街です。インドネシアはいくつもの島に分断されています。その中でも経済の中心であるジャワ島。北西部に首都ジャカルタがあり、そのジャカルタの避暑地として活用されているのが現場のボゴール市となります。
ジャカルタからボゴールへは、スムーズに移動できれば車で1時間程度です。が、そこは交通渋滞ワースト1位の国。いったん渋滞につかまってしまうと3時間は余裕でかかってしまう近くて遠い街なのです。
ボゴール市は、インドネシア人以外にはあまり馴染みなく、ネットで情報が中々見つかりませんでした。事前に現地の様子がほとんど分からないため、何が来ても対応できるような準備が大事な取材となりました。
カメラについて
Bogor取材の機材一式
私の使用するカメラは、ほとんどがオリンパス/瑞光ブランドです。他ブランドでも大きな問題はないですが、メリットが明確なのでご紹介しておきます。
今回のメインカメラはOlympus E-M5 mark2(左上の黒いカメラ)。予備でE-M5(上方中央の銀カメラ)。位置記録(GPS・QZSSロガー)&サブカメラとして、Olympus STYLUS TG-4 Tough(上方の赤いヤツ)を、速写&GPS補助&Facebook投稿用としてiPhone5Sをチョイスしました。
撮影旅行にオリンパス製品は非常に有効だと思います。理由は以下の3点。
- 軽い・軽量
- 小さい・コンパクト
- 防塵防滴&ホコリ耐性&頑丈
1と2は、オリンパスのお家芸。他のメーカーさんに比べて、同等スペックで、サイズ・容積比で圧倒します。荷物の重量や容積が限られる撮影取材旅行というシチュエーションにおいて、この恩恵は計り知れません。
3の防塵防滴&ホコリ耐性&頑丈は、早い話が「タフ」って事なのですが、メイン機のOM-DシリーズとToughシリーズは、群を抜いて「超タフ」です。どんな状況でも故障リスクが少ないというメリットは、一発勝負の取材旅行では安心感が違います。
また、取材を行った11月はボゴールは雨期でしたので、午後はだいたい大雨です。水しぶきの中でもつかえるということは、撮影チャンスを増やし、失敗を減らす要因になります。
レンズは標準ズーム12-40mmPro(換算24-80mm)と超広角ズーム7-14mmPro(換算14-28mm)の二本です。最終的に機内持ち込みサイズのスーツケースに収めなければならなかったため厳選傾向になっています。特筆すべきは「標準ズーム12-40mmPro」です。超万能です。マイクロフォーサーズをお持ちの方は全員、買うべきレンズですよ!
超広角ズーム7-14mmは、建物撮影&室内撮影用です。明るい超広角というスペックは、室内記録用として大活躍でした。お値段張るので、12-40mmで代替できなくもないです。
レンズチョイスは大当たりでした。チャーターした乗用車で目まぐるしく移動しながら、建物の内外を記録していくユースケースにおいて、レンズが2本以上あっても交換出来なかったと思います。
望遠ズーム(40-150mmPro)も選択肢にありましたが、重量の割に使用シーンが限られると予想したため携帯しませんでした。また、大きすぎるレンズでの撮影はとても目立ちます。「イスラム教の女性を撮影している」と勘違いさせないためにも、市街で長玉を振り回すのは控えた方が良いかも知れません。
あ、あと、写真作品を作るわけでもないので、単焦点レンズは不要です。
機材・その他について
周辺機器でまず重要なのは予備バッテリーです。メイン/予備のOM-D、2機で共有できるバッテリーを3つ持っていっています。もちろん充電器とプラグ変換器も。このラインナップで体感1500枚以上の撮影ができます。スナップ中心の撮影ではこれで十分でした。
バッテリーは全て純正品を使用しています。サードパーティ製はリーズナブルですが、突然使用できなくなったりと信頼性が落ちます。海外に持っていくなら純正品を強くお勧めします。
TG-4のバッテリーも純正品のものを予備でひとつだけ用意しました。が、これでは全然足りなかった。。。これは後述。バッテリー問題はTG-4で発生します。
三脚は小さくたためるモバイル三脚を持っていきました。が、まったく使用しませんでした。というのも、現地では腰を据えて撮影する機会はほとんどなく、延々とスナップでしたので、2日目からはスーツケースの中でお留守番です。建物の撮影に使うかな?とも思いましたが、カメラ内蔵の水平表示で事足ります。
逆に思いがけず役に立ったのが、OM-D E-M5 Mark IIに付属していたミニストロボです。建物の内部、特に機材などを撮影する機会が多く、暗所において名のとおり光りました。カメラ内部電源を使用するのでとても軽くて小さく、かばんの底に忍ばせておけるのが、このミニフラッシュの利点でしょう。
(関連)ミニフラッシュ FL-LM3(OM-D E-M5 MarkII 同梱品)
位置記録用機材・GPS&QZSSロガー
濡れても落としても砂に埋めても平気なTG-4
今回の撮影旅行において、個人的に挑戦したかったのがGPSロガーによる詳細な位置情報・経路の記録です。
GPSロガー(単にロガーとも)とは、GPS衛星システムを使用して、現在地点を数分単位で記録する便利な端末のことです。GPSロガーといえば、Garminなどの名が上がります。しかし今回はあえて「本来はカメラであるはずのTG-4に付属するロガー機能」を使用して位置情報記録に挑戦してみました。理由は「QZSSに対応している唯一のカメラだから」 と「インドネシアでTG-4の検証やってるデータがなかったから」
QZSSといえば、弊社の仕事の「準天頂衛星システム(QZSS) みちびき データ公開ウェブサイト」です。その設計を行っているときに「インドネシアは、日本とほぼ同緯度帯なのでQZSSの恩恵を受けることができる。(くわしくはQZ-visionのREADコンテンツへ!) 」と聞いていたので、自分でも試したくなったのです。
結果としては、インドネシアで念願の実証実験を行うことができ、ひとまず満足ではありました。しかし、もろもろ機材の設定に不備があり反省点も残しています。(これは次回以降につづきます)
GPSロガー「ガーミン」公式サイト
QZ-vision READ
機材費合計
おまけで機材の総コストを算出してみました。
- OM-D E-M5 Mark II:★メインカメラ:約90,000円
- OM-D E-M5(無印):予備カメラ:約30,000円
- STYLUS TG-4 Tough:★サブカメラ兼GPSロガー:約40,000円
- M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO:★標準主力レンズ:約70,000円
- M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO:広角レンズ:約130,000円
- Velbonモバイル三脚 UT-53Q:約20,000円
- Olympus リチウムイオン充電池 BLN-1(付属が2本。追加で1本):★約5,000円
- Olympus リチウムイオン充電池 LI-92B(付属で1本。追加で1本):★約4,000円
- Olympus フラッシュ FL-LM3(OM-D E-M5 MarkII 同梱品)
- SDカード(諸々あわせて4枚ほど):★約5,000円
合計:40万円
ただしマストバイ★合計ならば:22万円ぐらい(※値段はkakaku.comや中古市場も視野に入れたものです。参考程度に見てください。)
マストバイの22万円なら、同行カメラマンさんを雇うより全然安いです。旅費も含めてかなりリーズナブルになりますね!私自身、本業は企画&設計ですが、趣味で多少写真をやる程度のひとであれば、機材を揃えて現地へGO!することをお勧めします。 ブログやGoogleMapなどのネット情報などの「他者の情報」では絶対に得られない体験と肌感を持ち帰ることが出来ます。もちろん、自己責任ですが、、、。